はじめに
皆さんはサウナでのNG行動についての理解はありますか?
無意識に行なっていることがもしかしたら逆効果になっているかもしれません。
例えば、打撲などしているときに湿布などを貼ってサウナに入っていませんか?
湿布を貼った状態でサウナに入ると血液の流れが促進することで、湿布の効果も上昇するため、本来はゆっくりと吸収していくものが急激な吸収力をもたらし、その湿布が影響で、体に甚大な影響を及ぼした事例もあります。
この記事では、サウナに入るときに気をつけるべきNGをまとめていき、サウナをより安全なものにします。
1サウナ室でのマッサージでグリグリする
サウナ室でマッサージを行うことは、実際には効果的です。
軽いマッサージを行うことで、血液の流れがより活発になり、体の中に溜まっている疲労物質を流してくれるでしょう。
しかし、マッサージの強さが強いのは、逆効果になります。
人の皮膚は、圧力をかけすぎるとその部分からは汗が出なくなります。
これは、サウナを行うにあたってデメリットでしかないでしょう。汗は、体内の温度が上がってきたときに体温を戻そうとするために自律神経が働いて体の熱を逃すのと同時に出るものです。
汗を出せなくなると、体温調節がうまくいかず熱中症を引き起こす可能性が高くなります。
1顔面に水をかけること
サウナから出て、すぐに水シャワーや水風呂で顔から浸かるのはNGです。自律神経が正しく機能していないとふらつきやめまいを引き起こす可能性があるので、初心者はやめておきましょう。
ある程度サウナに慣れている人なら気をつけて行いましょう。
ふらつき、めまいを引き起こす原因とは
顔面から水をかけてしまうと自律神経の反射で心拍数の低下を引き起こし、場合によっては倒れてしまいます。
これは、水に潜った際に心拍数の低下をして、酸素の供給を節約するという自律神経の反射が起きる(これを「ダイビングリフレックス」という)ことが関係しています。
自律神経が整っている場合は、心拍数を元通りにしてくれますが、自律神経が整っていない場合は、心拍数の低下から戻すのに時間がかかるため、ふらつきやめまいを引き起こす可能性があるのです。
サウナ後に水風呂や水シャワーを行うときは、できるだけ、心臓のから遠い足先や手先から徐々に近づけていき、慣れてきてから、水に顔をつけたり、顔面にシャワーをかけるなりしましょう。
2「あまみ」は出て大丈夫なの?
サウナに入ると皮膚に赤い斑点が出現することがありますが、これをサウナーの間では、「あまみ」と呼び、ととのった証としています。
ちなみに医学的には「動静脈吻合」と言います。
あまみ発生のメカニズムとは
通常は、動脈から流れる血液は毛細血管を経て静脈につながりますが、サウナでは、反応が遅いため、動脈と静脈が直接繋がっている部分を使います。
動脈と静脈が直接つながる部分は、交感神経でコントロールされているため、動静脈吻合がある部分のみ赤くなり、ない部分は白いままで、赤い斑点になるのです。
これがあまみなのです。
激しいサウナは血管炎に
激しくサウナを行いすぎると毛細血管が壊れて、血液が血管外にダダ漏れになるため、数日間斑点模様が消えなくなります。
この現象は、体にとっての危険信号なので、やりすぎということになります。
サウナは求めすぎると悪影響でしかないため、ほどほどでやめることをお勧めします。
湿布等の経皮吸収型の薬をつけたままサウナ
湿布等を貼り付けたままサウナに入ると大変なことが起こります。
まず、サウナによって血液の循環が通常とは比べ物にならないほど早くなります。血液の循環が早くなれば、湿布等からの吸収率も段違いになります。
通常は、ゆっくりと時間をかけて湿布内の薬を皮膚から吸収していきます。しかし、急激な血液の活性化により、薬の吸収力は驚くほど大きくなり、人体に影響を及ぼすほどの勢いで、湿布等から薬を吸収してしまい、デメリットになります。
サウナに入る前には、湿布などは、剥がしてからサウナを楽しむことを必ず約束しましょう。
最後に
サウナによるNG行動集として、
- サウナ後すぐに顔面に水をかける
- サウナ室でのマッサージを強くしてしまう
- 過激なサウナのやりすぎ
- 湿布等の経皮吸収型の薬を貼り付けたままのサウナ
がNG行動集になります。
どの行動もデメリットになるので、必ず避けてサウナを楽しみましょう。
サウナは、お手軽に健康促進する優れ物ですが、一歩間違えれば本当に危険な状態になってしまうので、より安全にサウナを楽しみましょう。
参考文献
1加藤容崇,医者が教える究極にととのうサウナ大全,ダイヤモンド社,2023/8/22,P151,201,202
2加藤容崇,医者が教える究極にととのうサウナ大全,ダイヤモンド社,2023/8/22,P203